藤谷治 「船に乗れ!」Ⅰ~Ⅲ [読書]

船に乗れ! Ⅰ (ポプラ文庫ピュアフル)
船に乗れ! Ⅱ (ポプラ文庫ピュアフル)
船に乗れ! Ⅲ (ポプラ文庫ピュアフル)


今日も体調不良はかわらず(昨日よりはいいかな?)。病院行って抗生物質もらってきましたわ。

なので、一気に読了...

感想ですが、キツイ。マジキツイわ。
小説の内容は最高です。
何がキツイというと、読んでる途中、そして読後の自分の気持ちです。

若い頃、当時の自分としては「あえて」そうしなかったけど今になってみれば何故そうしなかったのかと後悔してしまうことや、そうなりたいと願っても叶わなかった数々のことが人にはあると思います。

そういう類いのことについては臭いものには蓋をしろ、というわけではないんけど歳を重ねることで封印、もしくは忘れたと思ってたんです。そして忘れることによって前に進むことが生きていくことだと思うんです。

だけど今回この小説を読んだことによって、それら数多くの想いをもう一度無理やり目の前に引っ張り出された上に、

「君にとって後悔するべきことはこれだけあったんだよ。君はこれらに向き合わずに引きずったまま生きていたんだよ。」

って問い詰められているような気持ちになってしまった…

私のような中途半端に想像力がある(と思っている)人間にはキツイ。ホントにキツイ。心がかき乱されました。

だってさぁ、主人公の気持ちってマジ理解できるんだもん。生い立ちとかはまったく似たとこない(主人公は音楽一家に育ったボンボン)けど、主人公に降りかかる色々な出来事に対する想いや、回りの人間にたいする感情(特に屈辱感)、自分の不幸の八つ当たりに他人を傷つけてしまう若い頃の想像力の欠落さ、ギリギリのところまで行ってないのに早々に自分自身に見切りをつけてしまうとことかが自分とまったく同じだし、その後の自分の過去に対して明確には踏ん切りがつかないとこなんてもう…

で、そんな主人公は踏ん切りがつかないまま歳を重ねていくんですが、ある意味で主人公をそうさせてしまった元彼女は、彼女なりの大変な苦悩はありながらも母になる決意をしたことにより、新たな人生を進んでいく、というとこがまたツラい。

スピンオフ短編の「再会」が収録されてなかったら、まったく心が落ち着かずにおわるとこでしたよ。

これに似た感情を持たされたのは漫画「ハチミツとクローバー」を読み終えたとき以来かなぁ…
ホント、過去の自分と折り合いをつけるというのは難しくて、そして大切なことなんです。

僕は主人公のように過去の自分を抱き締めることができるのだろうか?


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